科学を学ぶということ

はじめまして。今週のブログの担当、鹿山です。理系を主に担当しています。

突然ですが、「科学」とはどんな学問でしょうか?おそらく「理科で勉強すること」などといったイメージする人が多いと思いますが、もう少し深く考えてみましょう。

たとえば、「経済学」は「経済について研究する学問」であり、「生物学」なら「生物について研究する学問」ということになります。多くの「~学」という言葉は「~について研究する学問」という言い換えができるため、「~」の部分の意味が何となく分かれば、研究内容も想像しやすいでしょう。

それを踏まえて、もう一度聞きます。「科学」とはどんな学問でしょうか?「科」って何ですか?

インターネットで「科 意味」を検索したところ、「一定の標準を立ててすじみちを通すこと。物事を系統的に分類すること。」といったような意味があるようです。たしかに理科では一定の法則に基づいて反応物や生成物の量を計算したり、特徴ごとに生き物を分類したりします。名前と内容がうまく合っているような気がします。

しかしよく考えてみると、これは他の学問でも同様ではないでしょうか。実は、科学には「形式科学」、「自然科学」、「社会科学」、「人文科学」という4つの大きな領域があり、学校で教科として習う内容の多くはこの4領域のいずれかに該当します。「理科で勉強すること」というのは「自然科学」の内容にあたるのですが、その他の科目も広義には科学と言えます。

では学校でこんなにたくさんの種類の「科学」を学ぶ意義は何なのでしょう?

いろいろあるでしょうが、1つには現代社会を生きていく力を身につけるという目的があります。

私たちにとってとても幸運なことに、現在の日本は世界的にも見ても社会インフラが充実しており、治安もとても良いため、必要な「知識」を最低限だけ覚えてしまえば生きていくことができるような気がします。一方で現代は、高速で社会が変容している時代でもあります。今の「知識」がいつまでもそのまま通用するとは思えません。なにより、人生をよりよく生きたいと思うなら、現状に疑問を抱き、変えるための道を模索せざるを得ないでしょう。

そんなとき、科学的な態度で臨み、考えることが重要になります。

「どうして?」 「どういうこと?」 「どうやって?」

こんなふうに疑問を抱き、答えを探す。それが「科学的な態度」です。

ただレールに従うのではなく、無策にレールを外れるのでもありません。

今のレールの行き先をきちんと考えて、別のゴールを目指したいなら自らレールを敷く。

科学を学ぶことはこういった「生きる力」の源泉になるのです。