今回は歴史の勉強法をお伝えします。社会ではなくて歴史です。
これを意識すると覚えやすさがまるっきり変わってくるので、ぜひ目を通してください。
目次
歴史は暗記だけど、その前に!
歴史は結局覚えないと答えられないので暗記です!ただし、その前に知っておくべき「常識」的なものがあって、知らないと暗記をしても使い道がない無意味な知識になってしまいます。そしてそういうものは忘れ去られるものなのですが、そんなことを繰り返していたら歴史が分からなくて当然です!
つまり細かい勉強をする前に知っておくべき「常識」があるということです。
今回は中学生の歴史ということで日本史の「常識」について紹介します。細かい話も複雑な話も全く出てこないので安心してください。逆にコレが分かれば目からウロコ状態で歴史が得意になるかもしれません!(逆に細かい話を省くので厳密に言ったら違うなどがでてくるかもしれませんが、「歴史が苦手」の段階では問題にならないことです。あとで細かく勉強したときに知ってください。)
歴史の学習は大まか→細かく
歴史学習の基本中の基本は
- 大まかな流れを知る
- その中での細かい話を知る
です!
この大まかな流れが「常識」なんです。社会の歴史として学習する範囲は大昔から現在までと広いのですが、まずはその広い部分を知らないと「何でそうなる?」が残ってしまいます。ということでまずは下の「日本の歴史のおおまかな流れ」を覚えてください。
- はるか昔は原始人ぽい人々が狩りをして暮らしていた
- いつの間にか国ができて天皇が偉いことになる
- 次は、将軍が偉くなる(天皇はどこに行った?)
- さらにまた、天皇が偉くなって現在に至る
かなりシンプルにしましたが、まずはこれで十分です。そして特に「天皇」「将軍」という言葉が大切になります。
ところで「天皇」と「将軍」どっちが偉いか知っています?
歴史を勉強していると出てくる「将軍」ですが、きっとトップクラスに偉いだとうイメージは持ちますよね。でも結構「天皇」も出てくるじゃないですか。天皇陛下が偉い(雰囲気な)のは誕生日が祝日になることなどから分かります。
じゃあどっちがより偉いの?
答えは時代によって違うです!
逆に言えば
- 天皇が偉かった時代があり
- 将軍が偉かった時代もある
となります。まずはこれを覚えてください!
そして次はその時代に偉かったのがどっちなのかを知って、「天皇」または「将軍」を中心に考えていきます。両方出てくるより片方に絞ったほうがシンプルです。シンプルにして理解しやすくしてください。
天皇と将軍のどっちが偉いのか表
まずはこの表を頭に叩き込みましょう。もちろんこの画像を写真のように脳に焼き付けるのではなく、ストーリーを知ってください。そうすれば楽に覚えられるでしょう。
- 天皇が偉い時代は、天皇や貴族の話題が多いです。
- 逆に将軍が偉い時代には、戦いの話題が多くなってきます。
- トップが統治のために何をしたか
- どういう反乱へとつながったか
- なぜ次の時代に移ったのか
が分かると、理由が付く暗記になるので暗記がしやすくなります!
時代の表し方には西暦などの年号の他に、「〇〇世紀」というものがあります。これを使うことで大まかにいつごろかが分かるのですが
- 2000年 → 20世紀
- 2050年 → 21世紀
と同じ2000年代なのに数字が違ってややこしいですよね。
このややこしい世紀を簡単に調べる方法は…
西暦の数字を値段と見て、もし100円玉だけで払うとしたら何枚必要か!その枚数が世紀の数字です。
たとえば
- 2000年 → 100円玉20枚でいいから20世紀
- 2050年 → 100円玉21枚必要だから21世紀
となります。例題に挑戦してみましょう。
●例題
[su_spoiler title=”平安時代の始まり794年は?” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]8世紀(100円玉8枚必要)
[/su_spoiler] [su_spoiler title=”関ヶ原の戦い1600年は?” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]16世紀(100円玉16枚必要)
[/su_spoiler] [su_spoiler title=”江戸時代の始まり1603年は?” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]17世紀(100円玉17枚必要)
[/su_spoiler] [su_spoiler title=”ドラえもんの生まれた2112年は?” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]22世紀(100円玉22枚必要)
[/su_spoiler]どうだったでしょうか。とっさだと分からなくなってしまうのですが、そもそも世紀で表す場合は細かい年号がいらないか分からないときです。つまりあまり重要ではないので何となく分かる程度で十分でしょう。
次は時代区分を覚えよう!
時代区分 | 縄文 | 弥生 | 古墳・飛鳥 |
いつ頃か | 〜3000年前頃 | 〜3世紀頃 | 〜710 |
奈良 | 平安 | 鎌倉 | 室町 |
710〜794 | 794〜1185 | 1185〜1333 | 1336〜16世紀末 |
安土桃山 | 江戸 | 明治 | 大正 |
〜1603 | 1603〜1868 | 1868〜1912 | 1912〜1926 |
昭和 | 平成 | 令和 |
1926〜1989 | 1989〜2019 | 2019〜 |
室町時代の前後には建武の新政・南北朝時代・戦国時代などが入ることもあるため、表では数字に空きなどがあります。
上の「天皇と将軍のどっちが偉いのか表」ですでに出てきていますが、次は時代区分を覚えていくことが必要です。なぜなら多くの場合、この区分ごとに学習していくことになるからです。「いま〇〇時代を勉強しているんだ」と意識するとストーリーと時代が結びつき、他の時代を学習したときに区別ができて役に立ちますよ!
[su_spoiler title=”室町時代の終わりと戦国時代の始まり(折りたたみ)” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]室町時代の後半は、室町幕府が残ったまま戦国時代に入ってしまったため区切りがあいまいです。応仁の乱(室町幕府が力を失った)をきっかけにすると1467年に、将軍が追放された(室町幕府の滅亡)ことを区切りとすると1537年となります。ただはっきりと区切ることの意味は薄いので学校の年表などでは斜めで区切ってあったりします。
また戦国時代は安土桃山時代と呼ばれます。この違いは、応仁の乱をきっかけにした戦乱の時代を戦国時代、織田信長・豊臣秀吉の時代を安土桃山時代と呼ぶためです。これも深く気にするほどのことではないのでまずは同じものと考えていて問題はないでしょう。
[/su_spoiler]各時代の中での大きなまとまりを知る!
次のステップは各時代をさらに分けることです。このあたりからは「流れ」が大切になってきます。難しくなってきたので「平安時代の学習」という具体例で考えます。
- はじめは天皇が偉かった
- 次に天皇を補佐する人が偉くなった
- 今度は天皇の先輩(上皇)が偉くなって
- 最後は武士にやられてしまった
このようなまとまりに分けていきます。また分かれるのには理由=ストーリーがあります。そのストーリーを知って分けることで何倍も覚えやすくなります。
「流れ」と「ストーリー」は似ていますが、わたしは
- 流れ:大きな変化(江戸時代から明治時代になった、など)
- ストーリー:どうしてそうなったか(黒船が来て逆らえない→開国となった、など)
と使い分けています。決まった言い方ではないのでその点をご了承ください!
中身(有名人や出来事)を知る
最後のステップです。自分が知ったストーリーに登場人物や用語を当てはめていきましょう。
さきほどの平安時代の例だと
- はじめは天皇が偉かった = 桓武天皇
- 次に天皇を補佐する人が偉くなった = 摂関政治
- 今度は天皇の先輩(上皇)が偉くなって = 院政
- 最後は武士にやられてしまった = 平氏→源氏
のような感じです。もちろん覚えることはまだありますが、ここを基本にして付け加えていきます。細かくしていくとどんどん付け加えることは出てきます。あとどれだけ踏ん張るかがテストの点数を少しずつ上げてくれます。
- 大まかな歴史の流れを知る(天皇か将軍か)
- 時代区分を覚える
- さらに細かい部分に分ける
- 人物や用語を当てはめていく
このように、細かく分けていくことが歴史の勉強方法です!
続いて歴史の暗記方法を紹介します!
参考:時代区分に関わる歴史年号の語呂合わせ
歴史の学習は細かく分けていくものですが、日本史の中の位置についても気にすることが大切です。参考として時代区分に関わる年号のゴロを紹介します。
出来事 | 年代 | ゴロ合わせ |
奈良時代の始まり | 710年 | なんと(710)きれいな平城京 |
平安時代の始まり | 794年 | 鳴くよ(794)うぐいす平安京 |
鎌倉時代の始まり | 1185年 | いい箱(1185)つくろう鎌倉幕府 |
1192年 | いい国(1192)つくろう鎌倉幕府 | |
鎌倉時代の終わり | 1333年 | 一味散々(1333)鎌倉幕府 |
(室町時代は↑の3年後から) | 1336年 | (これはゴロではないです) |
応仁の乱(戦国時代の始まり) | 1467年 | ひと世むな(1467)し、応仁の乱 |
江戸時代の始まり | 1603年 | イチローおっさん(1603)、徳川幕府 |
明治時代の始まり(明治維新) | 1868年 | ひとつやろうや(1868)明治維新 |
明治時代の始まり(明治維新) ひとつやろうや(1868)明治維新
何度も思い出しているとゴロに頼らず数字が出てくるものですが、まずはゴロで覚えてしまいましょう!
歴史の暗記方法!
ではここからは、「歴史の暗記方法」を紹介します。歴史を勉強すると言っても何からやればいいか分からないという方は是非参考にしてください!
大まかな流れはこうです。
- 流れも重要だけど、まずは言葉を知ろう!
- 言葉を知ったら次は意味!
- できる人は教科書で知識を整理
- ワークや小テストに挑戦
では細かく解説していきます!
流れも重要だけど、まずは言葉を知ろう!
「歴史は流れ」とも言われ重要なことには違いありませんが、まずは言葉を知らなければどうにもなりません。ということで
意味は分からなくていいから言葉を覚えよう!
やり方は簡単です。
- ノートや教科書の色ペンや太字の文字をピックアップ
- 読みまくって口に覚えさせる
- 書きまくって漢字も覚える
です。
口に出し続けると口が覚えてくれて、たとえば
[su_spoiler title=”みなもとの?” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]よりとも[/su_spoiler] [su_spoiler title=”こんでんえいねん?” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=”spoilercustom”]しざいのほう[/su_spoiler]のように勝手に口が言ってくれるようになります。まずはこの状態を目指してください。また社会のテストは漢字指定もあるので、漢字が書ける程度には書く練習も必要です。
言葉を知ったら次は意味!
言葉を覚えたら次は意味を覚えます。これは学校のノートやプリントなどまとまっているものを利用するのがいいでしょう。やり方は
ノートやプリントを見返して、言葉の意味を知っていく
です。
言葉も何も知らないでノートを見ても「難しそう」「めんどくさい」となってしまい相当な苦痛なのですが、せめて言葉を知っていれば少しは楽になります。読みつつ「ここで出てきたか、こういうことね」という感じで読んでいきます。当然1回では覚えられませんし、1回で覚えようとするとプレッシャーで嫌になってしまうので、気軽に読む感じで、ただ何度も繰り返すつもりで取り組みましょう。
できる人は教科書で知識を整理!
これはやる余裕のある人だけでいいのですが、ノートやプリントはまとめになっているはずです。すると教科書には載っていてもノートには書いていない部分もでてくるので、
教科書も読み返して知識の整理(この時代はこんな事もあったのかを知る)
をしていくとなおいいです。
達成したいレベルによると思います。テストであれば教科書だけに書いてあることも問題になるでしょう。ただ、大切な部分はノートやプリントにまとめてある部分なので時間と相談して、その上でやるかやらないか判断してください。わたしの意見では「歴史が苦手」の段階であればまだここまでやる必要はないと考えます。
ワークや小テストに挑戦
ここまでくれば、「一応勉強した」といえる状況になっているでしょう。あとは本当にできるかを確認です。
ワークや小テスト、問題集で本当にできるかチェック!
あとはトレーニングをして知識を定着させていくだけです。問題に取り組むときのポイントは
- 知らないものは飛ばす!
- 問題文はしっかり読む!
です。
知らないものは答えられません。とっとと飛ばして、答えを見てしまいましょう。答えは、解答欄がサイドにあるものは書いてしまいましょう。復習時には答えのところを隠してやればいいだけです。解答欄が文章中にある場合には赤やオレンジのペンで書いておいて、赤シートを活用するとやりやすいです。ただし、「思い出せそう!」というものは粘ってください。もし思い出せたらもう忘れません。
また、問題文はしっかりと読みましょう。短い文に「そうなんだ!」と思うことが書いてあるはずです。そういうところって、結構印象にも残るんですよね。
記述問題も暗記!
最近の高校入試や定期テストでは記述問題(論述問題)が多く出されるようになっています。だからと言って難しく考える必要はありません。記述も暗記です!
中学生の歴史という範囲となると、論点となる部分がほぼ決まっているので、記述問題もワークなどの問題集に出てきます。そんなに深いことも書いておらず、結構表面的なことなので理解しづらいものも少ないはずです。よって暗記です、そのまま覚えてしまいましょう!もし、さらによく知りたいと思ったときはグーグル先生に質問してみてください。
資料の読み取り問題は…
記述問題に加えて最近ではさらに「資料の読み取り問題」などが出てくるようになりました。歴史では文書の読み取りがほとんどです。これを解くためにはその資料の「目的」を知っておく必要がるのですが…とても難しいです。ただ、問題になるということはよほど有名なポイントがあるか、先生が話しているはずです。まずは、先生の話を頼りにしましょう。そして余裕が出てきたら幅広く学習していき知識を得ていってください。
中学生の歴史の覚え方と勉強法まとめ!
- まず、大まかな歴史の流れを知る
- つぎにその時「天皇」「将軍」のどちらが偉かったかを知る
- 時代区分を知る(平安時代・鎌倉時代など)
- 暗記はまず言葉から(口に覚えさせて、漢字を覚える)
- 言葉を知ったらノート・プリントで意味を確認
- ワークや問題集は答えを書いて繰り返す