生徒に『バッテリー』を読めと勧める機会が結構ありますが、なかなか読もうとしてくれません。
国語のテストとかで、知っている文章がでたりしてニヤリとしてしまった経験はあるでしょうか?私なんかは教える側として演習などで多くの問題を見ているので、そんなことは日常茶飯事なわけです。そして知っている人には当たり前かもしれませんが、特に出会う回数が多いのは、重松清先生とかあさのあつこ先生の作品になります。
なかでも、あさのあつこ先生に『バッテリー』は1年やってたら最低1回は出会う定番です。しかも読んでおもしろい!なのになんで読もうとしないの?と聞いてみたところ、帰ってきた答えが「野球がわからない」でした。
『バッテリー』の詳細はこちらをどうぞ。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200306000166/
まあ最近は「巨人大鵬卵焼き」なんて言葉は死語もいいとこですし、地上波で見られるプロ野球中継の数も大分減ったし、高校野球だってひところに比べたら盛り上がらなくなってるしで、野球に詳しくないのもしょうがないよな、とは思いますが、小説を読むのにそんなにくわしくなきゃいけないなんてことはないわけで「別に『バッテリー』を読むのに特に野球に詳しい必要はないよ~」なんてもう一押しするんですけども、子供たちの「野球がわからない」のレベルは私の想像を超えてるんですね。
「どうなったら勝ちなの?」「どうやったら点になるの?」に始まって、「ピッチャーって何?」「グローブとは?」まで、「野球」というスポーツがあることは知っているけれども、それ以上のことは何も知らない子が、一人と言わずいるんです。
こうなると『バッテリー』を読むとか読まないじゃなくて、そもそも国語の問題が解けなくなってしまう場合まであるという非常に由々しき事態です。仕方がないから「スリーアウトでチェンジ」とか、「三振で1アウト」とか基本的なルールを説明しようとすると、今度は野球のルールの複雑さに気づかされます。攻撃、守備、打順、守備位置などなど、説明しておかないといけないことが多すぎて、どこから手を付けたものだかわからない。
振り返ってみれば、自分だって野球のルールを誰かに説明されたり、勉強したことはない気がします。『ドカベン』なんかのマンガを読んでいたら基本的なことは自然に覚えてました。つまり、てっとり早いのはマンガでも小説でもアニメでもいいから、野球ものの作品を見てくれることで、そうすればルールなんて自然に覚えるはずです。国語の勉強にもなることを考えれば、できればマンガよりは小説で読めるとベストでしょう。
となると結論としては、いいから野球を知りたければ『バッテリー』を読め。というのが正解となります。『バッテリー』を理解するためには『バッテリー』をよめばよいのです。
・・あれ?なんかおかしい?