毎年1月に行われてきた大学入試センター試験は2021年1月から大学入学共通テストに変わります!
話は以前から出ていましたが、変更などもあり印象としては急な変化ですよね。
ただ急とは言っても、知らないと不利になってしまうことなのでしっかりと確認しておきましょう!
目次
2021年1月から開始される大学入学共通テスト
2021年1月から行われる、これまでのセンター試験の代わりが大学入学共通テストです。
試験日が1月の中旬で試験内容が9教科30科目であることに変わりはありませんが、
- 英語の民間試験が活用される
- 英語の配点がリスニング100点、リーディング100点に
- 数学・国語に記述問題が出される
- 一部の試験の試験時間の延長
大学入学共通テストの科目配点・時間
教科 | 科目 | マーク・記述 | 試験時間・配点 |
国語 | 国語 | マーク式および 記述式 (記述は近代以降の文) |
100分 マーク式200点 および記述式の 段階表示※ |
地理 歴史 |
世界史A 世界史B 日本史A 日本史B 地理A 地理B |
マーク式 | 1科目選択60分 100点2科目選択130分 (うち解答時間120分) 200点 |
公民 | 現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済 |
||
数学 | 数学Ⅰ 数学Ⅰ・A |
マーク式および 記述式 (記述は数学I) |
70分 100点 |
数学Ⅱ 数学Ⅱ・B 簿記・会計 情報関係基礎 |
マーク式 | 60分 100点 |
|
理科 | 物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 |
マーク式 | 2科目選択60分 100点 |
物理 化学 生物 地学 |
1科目選択60分 100点2科目選択130分 (うち解答時間120分) 200点 |
||
外国語 | 英語 | マーク式 | リーディング80分 100点 リスニング60分 (うち解答時間30分) 100点 |
ドイツ語 フランス語 中国語 韓国語 |
80分(筆記) 200点 |
参考令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等(PDF)
※段階表示…記述問題全体の出来からつけたA〜Eの5段階のランクのこと(詳しい評価方法などについては下の「国語の記述問題」の章で紹介しています。)
大学入学共通テストにおける変更の理由は「思考力」「判断力」「表現力」を評価するためということです。
大きく変化した英語と、記述式の加わった数学・国語について見ていきます。
英語は民間試験を活用し4技能を評価する
大学入学共通テストで一番変化したのは英語の試験方法です。内容どころか受け方から変わってしまいました。
- 民間試験(英検など)を活用
- リーディング100点
- リスニング100点
英語民間試験の活用
日本の英語教育を改革しなければいけないということで、これまでのリーディング中心の試験方法を「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能を評価する方法に変えました。
しかし、この4技能を評価するノウハウは民間試験を行う企業の方がしっかりしているということで民間試験を活用することになったということです。
「読む」「話す」については大学入試センターで適切な問題を作ることが難しかったという理由もあるそうですね。
英語民間試験の結果を受験する大学側に送るためには、事前の共通ID取得が必要です。
共通ID発行から受験までのスケジュール(2021年1月受験の場合)
高校2年生は学校経由で申し込み
通知はがきの内容
通知はがきは以下のように3ページになっています。
通知はがき1ページ目
2ページ目
3ページ目
共通ID申込後に送られてくる通知ハガキは圧着式になっていて
- 登録した個人情報
- 10桁の共通ID
- 初期パスワード
- 有効期限
- 成績請求カード
- 大学入学共通テスト出願用カード
が印刷されています。
氏名の漢字などがにコンピュータで登録できない場合には、置き換わっていたり空欄になっていることがあります。
初期パスワードは英語受験状況確認システムのマイページに初回ログインするために必要なパスワードです。
有効期限は約2年間で、2020年9月までに申し込んだものは2022年3月末までとなります。
成績請求カードは2枚分印刷されていて切り取る形になっています。不足分は英語受験状況確認システムのマイページからダウンロードして使用します。
大学入学共通テスト出願用カードも切り取る形です。大学入学共通テストの出願に使います。
大学入試センターにはよくあるご質問もあります。必要な場合にはご覧ください。
[/su_spoiler]対象となっている英語民間試験
大学への成績提供の対象となっている民間試験は
の6つです。
受験する年度の4月から12月までに受けたこれらの検定の2回分の成績が大学へと提供されます。
また提供される成績は、各検定のスコアとCEFR(セファール)と呼ばれるランクで示され、CEFRは大学入試出願の条件となる場合があります。
CEFRと英語民間試験の活用のされ方
CEFRはヨーロッパにおける、外国語の習得状況で、具体的に何ができるかを表した、学習者に与えられるランクです。
CEFRレベルと内容
CEFRレベルと英検の級
各資格・検定試験とCEFRとの対照表(30年3月)という形で文部科学省がCEFRレベルと英検やその他の検定との対照関係を公開しています。
CEFRレベルはスコアで決まるため英検の級ごとの合格・不合格は関係ありませんが、目安として英検の級の合格とCEFRレベルとの関係を紹介します。詳細は各資格・検定試験とCEFRとの対照表(30年3月)よりご確認ください。
CERF | レベルに該当する 英検CSEスコア |
英検CSEスコア (合格スコア) |
A1 | 1400〜1699 | 3級(1456) |
A2 | 1700〜1949 | 準2級(1728) |
B1 | 1950〜2299 | 2級(1980) |
B2 | 2300〜2599 | 準1級(2304) |
C1 | 2600〜3299 | 1級(2630) |
C2 | ー | ー |
このように評価されるCEFRレベルは
- 大学への出願資格として活用
- 共通テストに加点
- 大学への出願資格として活用し共通テストに加点もする
- 活用しない
のような使われ方をします。
出願資格となっているのはA1やA2レベルが多いですが、出願する大学のウェブサイトなどで最新情報をご確認ください。
大学入学共通テストで活用する英語民間試験のスコアは2回とされています。
スコアの利用には検定試験の申込時に共通IDを記入することが必要になりますが、3回以上記入して事件を受けた場合には、試験日が早い順に2回分の成績が大学に提供されます。
検定の受験回数に制限があるわけではありませんが、計画的に受験をしていく必要がありますね。
大学入学共通テストの英語はリーディングとリスニングが1:1
英語は大学入学共通テストの内容も、今までのセンター試験から変化します。
具体的には
- リーディング100点、リスニング100点
- リスニングではイギリス英語や英語を母語としない人の英語も
- 1回しか読まれないものもある
- 発⾳、アクセント、語句整序の問題はなくなる
- 「文章」ではない英文から情報を読み取る問題が出題される
と、リスニング関連の変化が大きくなっています。
これまでのセンター試験ではリスニング50点、リーディング(筆記)200点でした。
一気にリスニングの配点が5割まで上がり、対策必須となっています。
音声に関しても1回しか読まれなかったり、「多様な話者による現代の標準的な英語」ということで、これまでのアメリカ英語から、様々な人が話す英語へと変わります。
リーディングではこれまでセンター試験で出題されていた発⾳、アクセント、語句整序の問題がなくなり、図表などに書かれた英文から情報を読み取る問題が増えます。
ただ文章を読む問題ではなく、図表などを絡めた問題にはなっていますが、英検や他の試験などでも見る形なので極端に難しいというものはありません。
慣れるという意味で対策は必要ですが、対策として特別なことをするのではなくこれまでの学習を継続することがまずは重要です。
国語・数学にも記述問題が出題
2021年1月の試験から国語・数学に記述式の問題が加わり、2024年度からは理科・社会にも記述問題が出題される予定です。
国語の記述問題の特徴
- 大問1問でその中に小問3問の構成
- 最も長い記述問題で80〜120字程度を上限
- その他は「30字以内」「40字以内」程度の問題
- 読み取ったことを表現し、制限の字数以内に要約する能力が必要
- 記述問題は点数ではなく段階表示(A〜E)
- この段階が大学の方で点数化されるなどして評価される
国語の記述問題は小問1・2・3と3問出題されます。
そしてそれぞれの問題はa、a*、b、b*、cの5段階で評価されます。(aが一番よい)
a、b、cなどの評価には基準が決まっていて、自己採点できるようになっています。
次にこれらの評価をもとにA〜Eの段階表示をしていくわけですが、このときには以下のような表を使って当てはめていきます。
画像は令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト国語における記述式問題の段階表示についてを参考に作成
小問1と2はセットにして考え、その上で小問3と合わせて考えます。
たとえば
小問1が b | 小問2が a* | 小問3が a |
だった場合には
このように確認し、段階表示はB段階ということになります。
考えて→文章にして→まとめるという形で答えを作成するまでの作業が多いです。
慣れていないと時間がかかりすぎたり、答えとして中途半端なものになってしまう可能性があります。
ただ、書く内容に困る難易度の問題ではありません。
文を作る練習を中心に置いた要約文の作文などが国語の記述問題の対策になります。
数学の記述問題の特徴
数学の記述問題の特徴
- 数学Iで小問が3問出題される
- マーク式問題と混在させた形で整式等を記述する形式
- 記号の使い方が分かればできる問題も
記号は正しく使えるように覚ればいいので対策は簡単です。
それに対して、条件を元に式を作る練習は必要です。
ただ、複雑な式などは正しく計算をすることがメインになると考えられ、逆に記述問題での式の記述はシンプルな状況を表すことになるはずです。
記述問題への対策としては、複雑な計算に入る前の導入や基礎の部分をしっかりと理解しつつ取り組むことがいえます。
センター試験といえばマークシート方式のテストでしたが、大学入学共通テストになってからもマークシートは残っています。
ただ、そのマークシートの部分にも変化が現れ
- 答えが複数あるもの
- 答えがないもの(0を答える)
などのバリエーションがでてきています。
正確な知識など細かい部分の対策も必要になってきますね。
どうやって対策していくか
以上のように新制度にはなりますが、かなり情報も揃ってきています。
あとはきっちりと対策していくだけでしょう。
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