先日、武蔵MSG高等学院の入学式がありました。新入生だけでなく転入生も参加した心温まる式典となりました。さっそく先輩たちに話しかけ、交流していた生徒もいました。
新しい学校に新しい友だち、4月は出会いの季節です。誰かと出会うということは奇跡的なことなんだというようなことは多くの歌にも歌われている陳腐な話かもしれませんが、しかし、やはり奇跡としかいいようのないことです。出会いによって、相手は「ただの他人」ではなく、「誰か」になるからです。
「誰か」との出会いが良いものになるか悪いものになるかは多くの場合、その人とどういう体験を重ねていったかによります。せっかく出会った相手とたくさんの良い経験を重ね、出会って良かったと思える経験をしてほしいと思います。とはいえ、気に入らない相手もきっといます。学校の大変なところはそういう相手を完全に避けるのは難しいということ。でもこれはチャンスでもあるのです。例えば物語において主人公にさまざまな不幸が起きたとしても、最終話で幸せになれれば幸福を描いたストーリーだということができます。でもトラブルや災難にみまわれているところで打ち切りになってしまったら、不幸な主人公の話でしかなくなってしまいます。気に入らない「誰か」のことも嫌だなというところで打ち切りにならなければ、最後には「いい奴と出会ったな」に変わるかもしれません。
春は出会いだけでなく別れを象徴する季節でもあります。つい先月、MSGでも卒業式が行われました。入学式のときに出会った人たちが、別れのときを「離れたくない、ずっと一緒にいたい」とそんな風に思って迎えられたらいいなあと願っています。