新札発行の陰で…

 7月3日20年ぶりに新札が発行されました。1万円札が渋沢栄一に、5千円札が津田梅子に、千円札が北里柴三郎に刷新されます。渋沢栄一は500もの企業設立にかかわった「日本近代社会の創造者」と言われる人物です。津田梅子は、女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家で、のちの津田塾大学を設立しました。北里柴三郎は破傷風を予防・治療する方法を開発した細菌学者です。この新札には高い技術が施され、偽造が非常に難しいそうです。また3Dホログラムという技術が使われていて肖像が立体的に見えるそうです。お札が流通して入れ替わっていくには時間がかかるので、お目にかかるのはもう少し先のことになるかもしれません。

そんな中で刷新されないお札があります。あまり見かけなくなってしまったので忘れがちですが、2000円札です。2000円札は西暦2000年に開催された九州・沖縄サミットを記念して発行されました。表面に首里城の守礼門、裏面に源氏物語絵巻と紫式部が印刷されています。発行当初はもちろん見かけたし、使用したりしたのですが、だんだん使われなくなってしまいました。「1」と「5」と「0」で構成された紙幣と硬貨の単位の中に、唯一「2」で入ってきてしまったからでしょうか。使い勝手があまりよくなかったのかもしれません。

そんな2000円札が手元に来た時は珍しいと思い、2,3枚とっておいて引き出しにしまっておいたりしました。いざというときは使うのですが、あるとき新聞代のお支払いに使ったことがあります。1000円札1枚と2000円札1枚と小銭を新聞屋さんに渡すと、「ちょっと足りな・・・あっ・・・」という感じの反応でした。これは新聞屋さんも戸惑ったかなと思い、それ以降2000円札は使っていません。今も私の机の奥には2000円札が1,2枚眠っているはずです。2000円札、また世間に出回る日は来るのかな。

二俣川教室 高木